さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる

f:id:ronnieeda:20210501183914j:plain

 

この本の著者エックハルト・トールは、何度も深刻な落ち込みに見舞われるなど、悩みの絶えない生活を送っていました。

 

彼は自分の生活をこれほど苦しいものにしているものは何かと考えた結果、その原因は「自分自身」、つまり自分の中にある思考から生み出される「自己」にあることに気づきました。そして「今、この瞬間」を生きることに集中することで、その困難をのりこえたのです。

 

エックハートはこの体験を1997年に『The Power of Now』として出版。オプラ・ウィンフリーがこの本に惚れ込み推薦したことで、2000年にニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーになりました。

 

この本が教えてくれることは「今を生きる」につきますが、もう少し掘り下げたレベルで大切なポイント3つを以下にまとめました。

①人生とは、現在の瞬間の連続である。

②すべての苦しみは、変えられないものに対する抵抗の結果である。

③常に自分の心を観察し、自分の考えを批判しないことで、痛みから解放される。

 

 

 

人生とは、現在の瞬間の連続である

私たち多くが後悔や不安と戦っています。これは、私たちの頭の中で24時間365日続く考えのほとんどが「過去」と「未来」の2つにとらわれているからです。

 

著者のトールは「唯一の重要な時間は、私たちが最も考えていない時間、つまり現在である」と言っています。現在だけが重要なのは、すべてが今ここで起こっているからです。

 

考えてみれば、過去とは過ぎ去った現在のことであり、未来とは現在の集合体に過ぎません。 ですから、今以外の瞬間に生きても意味がないのです。

 

たとえば、2週間後に論文を提出するという課題があったのに先延ばしにしていたことを後悔しても、これからやらなくてはいけない執筆のことを心配しても、実際には何の役にも立ちません。 しかし、まずは論文のアウトラインを考えることから始め、目の前の小さな問題一つひとつを解決してゆけば、そこから先はすべてが動き出していきます。

 

苦しみを感じるのは、変えられないものに抵抗しているから

著者トールは「苦しみとは、変えられないものに抵抗した結果でしかない」と述べています。私たちは、未来や過去についてばかり考えてしまいますが、過去も未来も変えることはできないのです。逆に、未来や過去に対する抵抗感を持つようになり、それが心理的・肉体的な苦しみとなってしまいます。

 

怒りを感じると、その怒りによって理性的でない考え方や行動をするようになり、結果的に状況が悪化して苦しみが増すことが多いのですが、その原因は私たちの頭の中にあるのです。

 

自分の心を常に観察し、自分の考えを判断しないことで、苦しみから解放されます

では、どうすれば苦しみから解放されるのでしょうか?トールは2つのことを勧めています。

①「自分が次に考えることは何だろう?」と常に自分に問いかける。

②自分の考えや衝動を判断するのをやめる。

 

1つ目の方法は、「量子ゼノ効果」と呼ばれる物理学の効果に基づいています。これは、あらゆるシステムを常に観察することで、そのシステムを現在の状態で維持できるというものです。 

「自分が次に考えることは何だろう?」という質問を何度も自分に投げかけることで、自分の頭が次の思考(過去や未来について考えること)を始めないようにすることができます。自分の頭が意思によってではなく自動的に動いていることに気付くでしょう。こうすることで、自分の心が余計な考えから離れることができるようになるのです。

 

2つ目の方法は、自分の中にある声に耳を傾け「何をすべきか」「何をすべきでないか」という煩わしい考えをやり過ごすことを学びます。たとえば、何か失敗した時に「もっとうまくやるべきだったのに」という自分の中の声に耳を傾けます。その自分の中の声が聞こえてくるという事実は受け入れても、その声の言っている内容は受け入れずにやり過ごすことが必要です。

 

この2つの方法は、常にオンの状態になっている思考主導型の心から切り離し、変えられないことへの抵抗を減らして、心の痛みも軽減されることになるはずです。

 

さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる