第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

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マルコム・グラッドウェルはこれまでも「成功」「人間の直感」「マクロ経済の動向」など、様々なトピックについての本を書いてきた人物です。

 

この『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』では、自分の直感がどのように働くのか、そしてそれを信頼するべきなのかどうか、あるいは直感を無視して分析を続けるのがベストなのか、そういったことを考え理解するのに役立つ面白い本でした。

 

私はこの本から、人間の直感の持つ驚くべき力について3つのポイントを学ぶことができました。

 

①私たちの「無意識」は世界最速の情報フィルターです。

②ストレスは直感を迷わせる。

③直感を信じられない状況では、"フィルター" を用意しよう。

 

 

 

無意識は世界最速の情報フィルター

意思決定をする際には「必要な情報の40%以上を入手してから行うこと。70%以上を入手して行うべきではない」 - これは40-70ルールと呼ばれ、時間と情報の理想的な関係を表していると言われています。

 

面白いことに、ほとんどの場合、ごく少数でも極めて重要な事実に注目し、それ以外の情報をすべて遮断するだけで十分なのです。

 

例えば、アパートAとアパートBのどちらに引っ越すかを決めるとき、場所、値段、そして数枚の写真でその本当に必要な情報の7割はカバーしているはずなのです。しかし、コンセントの位置などの細かい部分まで分析してしまうと、より重要な情報が隠れてしまい、適切な判断できなくなってしまうものなのです。

 

幸運なことに、私たちの「無意識」というものは世界で最も優れた、そして最も速い情報フィルターシステムです。新しい情報に直面したとき、無意識はすべての情報をふるいにかけ、必要ではない要素を瞬時に捨て、少数の重要な要素を一瞬で判断して、解決策を提示してくれるのです。

 

ストレスは一時的に直感を間違った方向に導くことがある

しかし、無意識でも間違えることがあります。

 

たとえば、ストレスの多い状況にいると私たちは他人の表情を読み取る能力が急激に低下します。上司が完全にキレて、頭を真っ赤にして大声で叫んでいたら、あなたも思わず逆ギレして怒鳴り返してしまうかもしれません。

 

これは上司の感情的な状態があなたの中で引き金となってしまうからです。 アメリカでは警察官が丸腰の男性が黒い革の財布を持っているというだけで(それをピストルと見誤って)その男性を撃ってしまうことがあります。

 

このような視覚的なサインを読み取ることができないのは、自閉症の人に非常によく見られる症状です。彼らは、ジェスチャーや顔の表情、行動などから、相手の意図や感情の状態を本能的に判断することができない場合が多くあります。

 

たとえ自閉症を発症していない人でも、ストレスの多い状況に置かれると一時的に自閉的になり、最も差し迫った脅威的な情報だけに集中する状態になることがあります。

 

これでは直感が間違った判断をしてしまうことが多くなりますので、可能な限り防ぐ必要があります。 つまりストレスの多い状況では、できるだけ早くそのストレスを解消することが大切です。散歩して頭を冷やしたり、数分間隠れて息をしたり、会話の続きは後回しにしたりして、ものごとを閉鎖的に見てしまう「トンネルビジョン」にならないように気をつけましょう。

 

偏見にとらわれがちな場面ではフィルターで無関係な情報を取り除く

私たちの「思い込み」という頭の動きは脳に深く刻み込まれているため、それを消すのはたとえ間違っているとわかっていても難しいものです。

 

例えば「アジア人はみんな数学が得意」「大手上場企業のCEOは背の高い白人男性」「歌の上手い人は美人」・・・といったものが代表的なものです。

 

実際、音楽業界はコンサートの最中のみならず、アルバムジャケット、ミュージックビデオなどで歌手のビジュアルを人為的に押し出します。 しかし、もしあなたがレコード会社のエージェントだとしたらこれは問題です。あなたの仕事はモデルではなく、最高の歌手を探すことなのです。

 

私たちはこうした思い込みに踊らされないために、自分が偏見にとらわれないようにフィルターを用意する必要があります。そうすることで、無関係な情報(ここではルックス)が脳に到達するのを防ぐことができます。

 

例えば「The Voice」というオーディション番組では、審査員は椅子に座ってステージに背を向けているので、審査員が歌手から得られる情報は「どんな声をしているか」だけです。気に入ったら、ボタンを押して後ろを振り向く。結果、自動的にその歌手を自分のチームに入れるということになります。

 

私も自分の人生を振り返ってみて、昔からの偏見で自分の判断が大きく偏ってしまったことが1つや2つはあるような気がします。 この本で言うところの「判断に必要な40%の情報」だけを得るために、私たちはある種のフィルターを使えるようになっていなくてはいけないのだろうと感じました。

 

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい