ボリス・ジョンソン首相 過去の投票における賛成 or 反対から見えてくるその主張

ボリス・ジョンソン新首相は今までどういう主義主張をしてきた政治家なのだろうか?

 

ここでは過去の重要事項の投票の際に、彼が賛成票を投じたのか反対票を投じたのかによってそのスタンスを確認してみたい。

 

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イラク戦争(軍事介入に賛成)

ジョンソン氏は2003年のイラクへの軍事介入については支持の立場を取ってきた。当時の首相トニー・ブレア氏は労働党の党首であったが、ジョンソン氏(保守党)はブレア政権の軍事介入に賛成の投票を行っている。

また以下の投票では反対票を投じている。

・国連安全保障理事会の援護を求めること

・軍事衝突やイラク大量破壊兵器を滅ぼすために必要な手段としてイギリス軍を派遣する際、事前に国会議員の投票を必要とすること

2015年、デヴィッド・キャメロン首相(当時)がシリア空爆を計画したときにも、それに賛同する立場を取っている。

 

キツネ狩り禁止(禁止に反対)

イギリスでは2000年代前半にフォックス・ハンティング(キツネ狩り)を禁止する法案が成立したが、このときの投票でジョンソン氏は反対票を投じている。

ロンドン市長時代、ジョンソン氏は自分の飼っていた猫がキツネに襲われたため、ロンドン市内でキツネ狩りを再開することを示唆したことがある。 「この決定のせいで私の支持率は落ちるだろうが、そんなことは気にしない」と発言した。

その一方で、2018年には新聞「デイリー・テレグラフ」のコラムでキツネの保護のために海外からの資金援助を求める発言をしている。

また現在ジョンソン氏が付き合っている女性キャリー・シモンズさんとともに動物愛護団体の資金調達活動に参加しているのを目撃されている。 シモンズさんは環境保護・動物愛護に熱心な活動家。

 

同性愛者の権利(賛成)

ジョンソン氏は同性愛者の権利については前向きな姿勢を取っており、同性愛者のパートナーシップについては賛成票を投じている。 また学校で同性愛を助長することを禁ずる法律の撤廃についても賛成票を投じた。

なお、ゲイのカップルに養子縁組を許可する法案の投票には出席していない。 ゲイの結婚を認める法案についても投票していないが、この投票は彼がロンドン市長だった時に行われており、国会議員ではなかったからである。

 

気候変動対策(対策強化に反対)

ジョンソン氏は気候変動対策の法案には反対票を投じている。

2016年には、イギリスの二酸化炭素排出量目標値を決める投票があったが、反対。 同じく2016年、エネルギー産業が二酸化炭素貯留(CCS)対策をとるよう求める法案にも反投票を投じた。

ジョンソン氏はロンドン市長時代に自転車レンタルスキームを導入しており、これは「ボリス・バイク」として知られている。 ジョンソン氏自身も自転車に乗っているところがよく目撃されていた。

2019年4月、ジョンソン氏は環境保護を訴える市民運動「エクスティンクション・レベリオン」について同感できると発言している。 その一方で、気候変動対策を求める若者たちについては「ひとりよがりだ」とし、「代わりに中国にレクチャーすればいい」と発言している。

 

移民問題(受け入れに反対)

ジョンソン氏は強力な移民制限や難民受入れ制限に賛成票を投じている。

妊婦の移民を拘束することを禁ずる法案にも反対。 働くことが禁じられている移民が働いた場合は刑事犯として扱うことには賛成票を投じた。

EU離脱をめぐる国民投票のとき、ジョンソン氏はトルコ難民に対する恐怖心をあおったと非難されているが、彼はそのような事実はないと否定している。

 

EU離脱(離脱賛成)

EU離脱派の最も著名な人物である。 イギリスでの国民投票の前も、EU加盟国増加に反対してきた。

また、テレーザ・メイ前首相のEU離脱政策に何度も反対し、2018年には外務大臣を辞任。メイ政権から袂を分かった。

しかしメイ前首相が下院に提出したEU離脱案の第3弾については賛成票を投じている(が、反対票が圧倒的多数で廃案)。

 

 

 

出典:

www.independent.co.uk